子猫の生地でマスコットストラップ、また、世界ってどういうもの?という、さなの扉

 

 うちの幼稚園は、年長になると父の日のプレゼントに、衣料用の絵の具とクレヨンでペイントしたオリジナルTシャツを作り、今年一年間、パパは、育児参加をするイベントの日や運動会のときにそのTシャツを来てくるという仕組みになっている。
 その制作に使う白いTシャツを用意するように言われて、あぁあれって自分で用意するのか〜、と松戸に出かけたら、改装していた駅前のビルに手芸店のユザワヤがオープンしていた。同じフロアにダイソーも。どちらもそこそこの大きさ。
 松戸には、ヨーカドーの中にドリームという手芸店があって、そこはクラフト材料に強いところなので、今回、布や毛糸寄りのユザワヤができたことで、手芸材料の街として柏に肩を並べようとしている感じになった。まぁ、柏のサンキが安さと品揃え、安い布でも10cmから買える、と全てにおいて一番だから、布目当てのときはなんだかんだいって柏に行くことになるんだけど、ドリームで工芸材料を探してついでに布も見たいってときには、松戸だけで満足できるのですごくいいと思う。


 その松戸駅前のユザワヤで、メートル290円で特売していたコーナーに、めちゃ可愛い子猫柄の生地があったのでつい買ってしまった。表が布で裏がタオルのハンカチでも作ってみようかなと思ってダイソーでタオルも買っといた。
 さなが「布の絵柄のかわいい部分を切り抜いて綿を詰めてマスコットを作る」っていうワザを覚えてしまっているため、可愛い絵柄のついた生地を買ってくると、すかさず「ここの小鳥のところでお人形を作りたい!」とか言い出すんだけど、この子猫もそう言って喜ぶだろうなぁと思ったのもあり、買ってしまったのだった。ホント、手作り関係では甘いよ、私。
 帰ってきてから一緒に作った。さなのはさなに作らせて、最後にはしご縫いするところは私が手伝った。
 私も私で、こんな可愛い模様ならストラップにしたらバザーで売れるかな?と、金具を付けてストラップに仕上げてみた。鈴を入れたのでチリチリ聞こえて可愛いです。


 本をたくさん読んでたら国語が自然にできるようになるのと同じように、沢山見て沢山考えて選んで、道具を使って、道具に使えるものを見つけて、また材料の性質を把握して、網羅して、利用して、頭の中にあるものをどうにかして形にするっていう「作る」作業は、経験と年月の積み重ねだから! だから、工作教室に通わせるよりはまだ全然安くついてる、と家の中にものを作るための材料だけはたくさん置いているのです。
 大人になって、本来誰の生活にでも必要なはずのものなのに、物性や道具の仕組みを利用する発想力や手先の器用さって思っていたよりも個人差があるなぁっていうのに気づいて、さなにはものを作ることの基本を積み重ねられる環境や経験を与えていきたいって思ってる。
 世界中どこでもだと思うけど、田舎の農家とかって、家・車レベル以下のものならなんでも、雨をよける程度の物置小屋とか薪置き場、作業で使う小物とか、バーベキューコンロとか、何かにつけて、いらなくなったドラム缶から特大サイズの缶詰缶や太田胃散の缶とかDIYショップで買ってくる材料とか、どこかから払い下げてもらったトラックのコンテナ部分とか、そんなもので自作しちゃったりしてしまう。そんなたくましさを受け継いでいたいというか。
 それに、ものを「それの一般的な使い道」という記号で見るだけより「こんな素材がこんなふうに利用され組み合わされてできた」って感じようと思えば感じられる脳を持っているほうが多分生活が楽しい。パパが社会的に生きるってどんなに面白いことかというのを体現してくれているなら、私からは、自分自身を生かす術、自分の体を生かしたり身の回りの環境を整える工夫の中には、深さや楽しさが確実にある、という事を見せていければいいかも! と思う。