子供がついた嘘、子供が嘘をつくとき



子供が、帰ってきて落ち込んでいた。
学校で、最終的にファイルしておかなければならない宿題のプリントを一枚なくしたという。
前日は何人か同じような人はいたが、今日になってもまだそろってなかったのは自分だけだった。
探しても見つからなかった。
同じようなひとは先生にすごく怒られて、いっぱい嫌なことを言われて教室から追い出されてもう帰ってこれなかった。

かならず8枚貼ってくると先生に約束したのに守れなかったから、明日は教室から追い出されてもう教室に戻れないようにされるといって泣いていた。

なにが事実か判断できなかったが、最小限の事実としては、宿題をなくしたことで怒られるのと、だから学校にいくのをこわがっているというのは感じた。

私も、今回クラス替えがあって新しい担任になった先生なので、どんな人かを把握しきれていないし、判断がつかず、
子供が悪いのは承知しているが、子供が学校に行くのを怖がりとても落ちこんでいるみたいだという状況を連絡帳に書いたのと、悪いことをしたならあやまるしかないんだから明日の朝あやまりなさいと子供には言ったが、朝は先生にあやまる時間がないというので、ついでに子供に反省文も書かせてはさんだ。


しかしまた、子供の話を聞いているときに、今どきの先生が子供に、乱暴だったり意地悪な言い方で叱ったり、外に追い出していつまでも入れもしないってことがあるだろうか? という点には、聞いているときは言いあらわせなかったけど違和感を感じていた。
また、そこまでの状況があり学校に行くのが怖いと言って泣いているにしては、ひとしきり私に説教され怒られつつしばらく泣いていても、ピアノに行って帰ってきたらわりと収まっていたし、さらに夕食を食べた後くらいにはけろっとテレビとか見てるし、そんなひどい明日がくるにもかかわらず、そこまで引きずっている様子もない。そのちぐはぐな雰囲気にも、違和感を感じてはいた。



翌日(今日)。二時間目あとの業間休みのころの時間帯に先生から電話があり、先生はあわてていた。
他にもなくした子はクラス半分くらいはいたこと、
先生が教室から子供を出させてずっと中にいれないということはないということ、(この感じだと、たぶん子供が話していたようなひどいこととかも、そうそう言ってない)
子供をいちど怒ったのは、宿題を無くしたということを、前日にも名乗り出るように確認したのに、さらにその次の日になってもなかなか正直に言いださなかったからだということなど。

先生のことをよく知らなかったので判断がつかずに、いちおう子供の様子だけ伝えようと連絡帳を書いたんだけど、もともと、その先生の担任になったというだけで話の種になるようなとても評判の良い先生だということや、学校のある時間帯中に、忙しいだろうに、たぶん中休みの時間に連絡帳を読んでもらってから即走って電話連絡をくれたんだろうということもあり、噂で聞くような誠実な先生だと感じるので、やはり子供の言っていた内容には大げさな部分というか「そうなったら怖いという場面」の想像シーンのようなものを私にたれ流してきたというタイプの嘘があり、子供がやらかしたこと、それに対して先生から叱られることなども、そこまで心配には及ばず、これからは先生に任せておけばいいかなと思えた。先生、おさわがせしてすみません。



幼稚園は自由な園で、キリキリ怒られるようなとこではなかったし、1年生では子供をかわいがってくれる優しい若めの先生で、2年生は怒るときは怒るだろうけど優しく前向きな感じの男の先生だったんだけど、今年は、きめ細かいことまでよく見てくれて、優しく流したりもせずにいちいちしっかり怒っていってくれるような母世代の女の先生なので、今まであまりにも怒られ慣れていなくて、今年からいきなり、毎日だれでもいろいろと怒られるような世界になって、カルチャーショックを受けていたようなところがあったので、つぎは自分が怒られるってビビっていたんだろうと思う。4月当初、毎日、先生が怖いって言ってたから。


そんなことがあったという日記でした。
まとめとしては。
子供が、ほかのたくさんの子は言えてるのに、紙をなくしたことを最初の日にいいだせなかったということは、怒られるのが嫌で先生に嘘をついてしまったということになるので、家でもしっかり見守らないといけないとおもうし、直っていってほしいところだ。

また、今回私に、「わたしがかんがえたさいきょうにこわい明日のシーン」をたれながしたことについては、私に子供が嘘をついたということではなく、よくいえば、子供が頭の中で考えてしまったことが私にむかって正直にたれながされていただけということになるので、自分の頭の中身をかくすこともできない、まだ純粋で正直な脳みその子なんだわ...、と言わざるをえない。

これを、本当なのかな? っていう前提で聞きとってしまっていたことが、私のミスということですね。これからは、このことを経験として、子供の話す内容にはいろんなパターンがありうるんだってことを考えて聞いていこうって思っている。