家までかえる

 小学校から帰ってくるときに迎えに行く場所がだんだん家に近付いてきた。
 さなは、もう結構前から、おうちの中で待ってて!って言うんだけど、親が見ていないときにさながどんなふうに歩くか知りたいから、待っている場所はだんだん家に近づきながらも、見通しのいいポイントに立ち、さなが角を曲がってきてから私に気づくまでの間、どんなふうに歩くかとか、安全に歩けているかとか、見ながら迎えるという毎日だった。
 今日はマンションの外まで迎えに行くのをやめて、マンションの自分の家のドアのすぐ外の外廊下から通学路を見下ろして待っていた。
 
 ちょうど通学路をたくさん見える向きに外廊下があるし、まだ、大きな街路樹たちの茂り具合も半分くらいなので、下に降りて待っているよりも、さなが歩いてくる広範囲を見ることができた。隧道というか、小さいトンネルをくぐるんだけど、今日はちゃんと車が来ないか確かめてから道を横切ったりしていた。
 エレベーターを上がってきたところで待っていたらびっくりしてた。明日は家の中で待ってるからね!と言ったら嬉しそうだった。明日も帰りをこっそり見下ろしてから家に戻って待とう。