変わらないところ

 さっき、一度寝たさなが、寝ぼけながらも慌てた様子でリビングに出てきて「っさな、もしかして」などと言っている。トイレに行きたかったみたい。そして、そのとき軽く触ったときは大丈夫だと思ったけど、トイレに行った時に改めてよく見てみたら、ズボンに直径1センチかそこら染み込むくらいの少しだけ、おしっこもれてたから、着替えを出してあげた。さなっておねしょしないから、ちびったことも、慌ててたことも珍しくてププっとなった。
 その起きてからトイレに入って出てくるまでずっと、一連の時の顔が、口を少し尖らせて息を吸うみたいな、何かに驚いた顔のようなひょっとこみたいなすごい面白い顔で、昔さなが生まれたばかりで母が田舎から手伝いに来てくれてたときに、ベビーベッドの上で同じ顔をしていたさなを見て「おしっこしてるとき、こういう顔になるんだっけ」って言ってたのを思い出した。そのときの顔してたの。
 5歳なのに、とっさに出る表情が小さい頃と変わらないって、あるんだね。本当は、だれにでもいくつかあって、それを、育てた親だけが知っててときどき心の中でにやにやしてたりするのかな!