つくられたノスタルジー

 や〜だ〜、1ヶ月間隠しておいて、さなへのクリスマスプレゼントのかさ増しにしようと思ってアマゾンで買った図鑑が、思いっきり日曜夕飯時堂々と届いてしまったので、流れでそのままさなへと渡すことになってしまった。
 こないだ買ったパーラービーズ・パーフェクトセットがクリスマスプレゼントのメインで、他にお菓子長靴でも付けとこうか? と思ったけれど、それならばこの際『幼少時のうちにかもしておきたい「ゆかしい記憶」のあまたあるうちの一「中身の詰まったクッキー缶へのノスタルジー」』を植え付けるために、クッキー缶を買ってプレゼントに加えよう、と思いついたよ!
 私の昭和っぽいクッキー缶の記憶は、ある冬の朝こたつの脇に見つけた、親がどこからか貰ってきたらしき、クッキー缶。缶の蓋を密封するビニールテープを剥がして蓋を開けて薄紙をめくるとそれは、いろんな形の絞り出しクッキー系に少しアイスボックス系も混じっていて、バターっぽい香り、まずくもなく物凄く美味しいというほどでもない、甘く、粒子の荒い食感で、ザラメがかかってるの、赤いのがついてるの、雲型や丸を描いた形のなどあって、でもいちばん凄いと思ったのは、そのクッキーは蓋を開けた状態で見えている形の一揃いがどうやら缶の中で下へ向かって平らに何段にも積み重なっているということを認識したとき。なんつーの、平行世界の全部を見通している神?っぽい感覚?が来てたっつーの? きっとそんな風に感動したんだと思うんだ。あの多層、衝撃っしょ。
 その後は私の中で勝手に、一日に一段分だけ食べて良いって決めて、誰も見ていない時間に計画的にこっそり食べてた気がする。
 書き出してみると貧乏臭い思い出で申し訳なく思うほどです。このクッキーのディテールが、人によっては、パリやどこかの高級洋菓子店の、めっちゃ綺麗な絵の缶入りのクッキーで味も天国に行きそうなくらい美味しいとかだったりするんだろうけどね! 
 カルディとかに行けばクリスマスっぽい缶のクッキーありそうだから、行ってみてくる。いくら缶入りクッキーでも、人気キャラ物のとか、あまりにも美しすぎるやつとかだとだめで、クッキーが主役、みたいな、いい感じに懐かしいっぽいレベルの絵の缶がいい。
 プレゼントには他に、さなの好きなマイリトルポニーのキャラをクロスステッチした手作りクッションっていうのも構想しているんだけど、この一ヶ月で作りきれるかはわからない。サンタさんへの手紙に書いてあったから、マイリトルポニーものを入れてあげたいんだけど、もうメインは買ったから、更におもちゃを買うって程でもないし、と考えた結果。どうなるだろう。