あなただけのちいさないえ

あなただけのちいさないえ
http://www.douwakan.co.jp/group/books/178.html
 さなが先週図書館で見つけて借りたいと言い、借りて帰ってきてからも、ソファでもベッドで寝る前にも、毎日何度も読んでいる本。
 家具の下や後ろ、毛布の中、森の木陰や木の上、帽子やお面の中など、自分だけの秘密基地や小さな子供だけのかくれ家はどんなところにつくれるのかという例をあげていく内容なんだけど、最後のほうで「誰にでも時々自分一人になれるところが必要で、そこでのひとときは侵されず尊重されるべき、その人のための特別な時間である」という感じのことを、目に見えてはひとこと程度だけ踏み込むことで読み手の心に湧き上がらせるような内容になっている。
 この、子供が誰でも自然と大好きであることが、ただそういうものだというだけではなく、それが人間にとって大事な理由があることだからなんだっていう、おどろき、のような感銘を受けたり、自分に大事なことは他人にとっても大事なことなのだったとひっくりかえす視点について想像するきっかけになりそうな、ひねりがきいた本だなと思った。絵も可愛いし、小さめで縦長の、手にとって読みやすい形も可愛い。