いつも蓋があいているジャム

 うちの冷蔵庫は冷凍と野菜室が下側で、上半分が冷蔵室。その冷蔵室の観音開きのドアの左側、中ぐらいの高さのところにあるドアポケットに、昔ながらの紙カップ入りのジャムを入れておいたのが、2日に一度くらい、気付くと絶対蓋があいていて、蓋が外れて丸い紙とリングに分かれてしまっていたりして、なんだろう、一度外れて緩くなっちゃったのかな?周りの調味料のビンに押されてあいちゃった? なんて思いながら、あいているのを見ては直し、またあいていたり分解していたりするのを直し、って何回か繰り返したこの1週間ほど、今日も気づいたらあいていて、なんで?って考えてやっと気づいた、これさながジャム食べてるんだ!
 ドアポケットの下の段ではなく中間の段で、今までの経験上なんとなく、さなはここにはまだ目が届かないっていうイメージを持っていたから考えることを放棄してしまっていたんだけど、きっと子供用食事椅子を引っ張ってって、一番上の段に立って取っているんだ。しかもスプーンとかが流しに出されていなかったのをみると、おそらく指とかで食べている。
 さな、赤ちゃんの頃は手づかみ食べをしたがらないししない子だったんだけど、今になって、食事のとき何かの拍子におかずでもごはんでもすぐ指でつまんで食べちゃおうとする。昔やってなかったのを今やっているんだからめくじらを立てすぎずに見守るべきかとも思うんだけど、やっぱり最後には怒ったり注意してしまう。怒りすぎたか?いやでもさぁ……ってそんな細かい指導のさじ加減について毎回頭のなかでごたごた葛藤してしまう母の知らない所で、さなは椅子無しだったら目にも触れないような高さに仕舞ってあるいちごジャムに何の折にか気づいて以来、かしこく背のたかい椅子を持ちだして、こっそりジャムが置かれている場所から取り出しては素手で食べてまた仕舞っているという事実。うける!