さなの七夕

  
 さなは、幼稚園でつるすための短冊には「おおきくなりたい」という絵を描いて持って行った。家用にもらってきた笹の小枝には、フルーツと野菜の形の笹飾りを色々作ってつけた。
 どこで覚えたのか、霧吹きで折り紙を濡らしてぐしゃぐしゃにしたものを良い感じにちぎる、というわざでぶどうを形作り、飾っていた。その小細工が異常に功を奏して本当にぶどうっぽい、驚きのさなアート。感心したので私も真似をしてメロンを作って飾ったけど、ぶどうのリアルさには勝てなかった。
 素敵なフルーツたちをたくさん褒めてさなも得意顔で、そしたらいままで気付かなかったけど、フルーツや野菜の合間には何気に、ねずみ男的ななにか、毒虫的ななにか、茶色い楕円形のなにかの描かれた短冊も飾ってある。親の務めとして聞いてやらなければと思い、さなの顔をみなおして口を開こうとしていたら「猫になりたい。虫になりたい。おせんべいになりたい!」って自分から教えてくれた。
 このくらいの子供は、好きなものとなりたいものの区別が本当に適当。今週はお迎えのときに先生からも「大きくなったら○○先生になりたいって言ってくれました〜☆」って聞いたし、家でも言ってた。