モケモケ

 

モケモケ (おはなしのたからばこ 32)

モケモケ (おはなしのたからばこ 32)

 図書館で「モケモケ」という派手派手な絵本を見つけた。さなに丁度良さそうというもの以外に「絵がヤバい」絵本を見つけると断然借りてしまう私。
 絵柄を見たときに「パッポコペのペッポコピ……?」と、NHKでやってたアニメ「スキマの国のポルタ」を思い出す。調べたら、やっぱり同じ人の作品でした。
 で「モケモケ」は意外なことにすっごい良かった。モケモケって言いながら謎の生き物が皆で砂漠にやってきてキャンプをして過ごすっていうような話なんだけど、みるーさわるーモケモケー、あついーつめたいーモケモケーってずっといろいろ言いながら探索したり遊んだりする。子供が体験する感覚をテーマにした絵本みたいです。
 これが、絵がおもしろすてきすぎて、セリフがシンプルすぎて、読んでる方も愉快になって自己流に抑揚をつけておもしろく読んでしまう。さなは数回読んだだけでフレーズを覚えたみたいで、あかるいー暗いーモケモケーって自分で言えるようになった。これを読むと、対になる言葉という概念をうっすら知ると思う。でもきっと対になる言葉という小さいことがテーマではなく、子供が、生まれてきて、なんでも体で体験する連続のなか感じ取っていくときの、言葉にならない感情や気持ちを表現しているんだと思う。可愛くて面白いし、一見、落書きが大きい見開き一面に描かれているようでいて、個別に見ていくと無駄な絵がないというか、描かれた一つ一つのものが意味を持っていて生き生きしている。すごくいい本。この人の絵本を他にも読んでみよう。