琥珀糖の基本の作り方と、マーブルやグラデーションにしてもちゃんと固まる方法



前から作ってみたかった、琥珀糖という宝石のようなお菓子、和菓子としては干し錦玉とも言うそうですね。
とうとう私も挑戦して、何度か作ってみました。すごく綺麗だしおいしいからたくさんの人に作ってみてもらいたいので、はじめてでも失敗しにくいポイントや、色をマーブルにしても失敗しない作り方を書いておきたいと思います。

専門家とかではないので、ネットで作り方を知って実際にやってみた上での発見にすぎず、ここに書いたこと以上の質問にはたぶん答えられないのですが、悩んでいる人の参考になれば嬉しいです。



最初の関門は、寒天をよく溶かすこと。あらかじめ糸寒天を1日程度水に浸すのと、火にかけたあとは弱火でじっくり「完全に」煮溶かすことです。

第2に、砂糖を加えたあとの煮詰め具合。ここでも、弱火でふつふつとさせながらよく混ぜるのですが、混ぜるのに使っている泡立て器から垂れたしずくが、伸びて糸を引くようになったら火を止めます。

あとは色を混ぜて冷蔵庫で固めて切って干すだけなのですが、そこに最大のポイントがあるので、この下も読んでもらえると嬉しいです!



琥珀糖を作り始めると、より綺麗なものを作りたくなって、グラデーションやマーブルの色にしたいと思ってしまうのですが、そうすると、固まらなかったり、固まるのに単色の琥珀糖より時間がかかったり、やっと固まっても固まり方が荒くなってしまったりすることが多いです。

でも、手順をすこし変えるだけで、マーブルやグラデーションの琥珀糖でも、早く固まり始めてなめらかに乾燥させられることがわかりました。

というわけで、基本の琥珀糖の作り方と、ネットによくある作り方では難しかった、マーブルやグラデーションの琥珀糖の失敗しない作り方もわかったので、合わせて紹介したいと思います!



概要を言ってしまうと、ちゃんと寒天をよく溶かして砂糖も糸を引くまで煮詰めて作ったはずの琥珀糖が固まりにくかった場合、大きな原因は、「色付けのときに混ぜ方が足りなかった」ということに尽きます。

大前提として、材料は糸寒天とグラニュー糖、食品用の着色料を使います。たとえば、私、香りをつけたいと思って砂糖に飴玉を混ぜて作ったら、煮詰めても煮詰めても糸を引かず、焦げてカラメルになった……という大失敗をしました。飴玉の中の成分の水飴が良くなかったようです。このように、ちょっとした成分が影響したりしますので、色々味をつけたりアレンジするのは、基本の作り方で成功してから、徐々に試してみるのが良いと思います。ネットでよく使われる、着色にかき氷シロップや市販のジュースを使う方法も、成分によっては、使うと固まらないものもあるのかもしれないので、今回の作り方では食品用の着色料を使うことにします。


ネットにある多くの作り方だと、「少量の色水を容器に入れておいたものの上から寒天液を注いで混ぜる」、というのが多いですが、これだとかなり意識してよく混ぜないと十分には混ざりにくいです。寒天液は粘度が普通の水とは違うので、普通の感覚で、見た目ちゃんと混ざったと思っていても、もう一声、しっかりしっかり混ぜ込まないと完全に混ざっていないようなのです。よく混ざらないと、干しても固まりにくかったり、固まらなかったりしてしまいます。


なので、逆に、「寒天液に色水を落として着色し、よく混ぜる」としましょう! この方が、よく混ざりやすいです。それでも、混ぜるときは本当によく混ぜてください。

また、グラデーションにしようとして失敗するのも、同じく混ぜ方が足りないせいなので、たとえば、透明〜色付き寒天へのグラデーションを作りたい場合、「色水に寒天を注いで中途半端に混ぜる」のではなく、「『透明の寒天』と『よーく混ぜておいた色つき寒天』を混ぜる」という作り方でグラデーションにすると良いようです。

具体的には、
「まず、容器に、鍋から透明の寒天を半分だけ入れておく。そのあと鍋に残った残り半分の寒天に色を付けてよ〜くよ〜く混ぜたものを、容器に流し込む」とすると、あらかじめ色は混ぜ込んであるので、そのあとは容器の中でちょいちょいと好きなマーブル具合にするだけで大丈夫です。この、よーく混ぜるのところ、本当に、念には念を入れて、よ〜くよ〜く混ぜるのが、成功のポイントです。

多色のグラデーションにしたい場合も、「あらかじめ色をよく混ぜておいた寒天液どうしを、合わせる」という手順にすれば、ちゃんと早く固まるマーブル琥珀糖になります。



詳しい作り方(一例として、2色のグラデーションの琥珀糖の作り方を説明します。)

寒天5gと水200cc、グラニュー糖350gというのが、ネットに広まっている基本の分量です。これで、家庭用オーブンの天板3枚分くらいの量ができます。天板3枚分くらいの広さで、何日間か乾かすのに場所をとりますので、1度に作るのは、これくらいが適量だと思います。

1. 糸寒天、5gを一晩〜1日程水に浸す。ビニール袋に水と一緒に入れて密封しておくと楽です。この水は分量外ですので、浸すのに十分な量を使ってください。粉寒天、棒寒天などでもできるそうですが、糸寒天は、失敗しにくく出来上がりに透明感があると言われています。
2. 糸寒天だけをざるに取り出し、キッチンペーパーなどで軽く水気を絞ります。そのあと、200ccの水と一緒に小鍋にかけて、寒天を完全に溶かします。激しく沸騰しすぎると水分がなくなってしまうので、沸騰したあとは弱火で煮てください。寒天が透明になっても、よく見ると溶けきっていなかったりします。その状態を越えて完全に水と溶け合って液体になるまで、泡立て器などで混ぜながらよく溶かします。
3. 砂糖350gを加えて、さらに、混ぜながら弱火で煮続けます。基本の透明な琥珀糖を作るにはグラニュー糖が適していますので、はじめはグラニュー糖で作ってみてほしいです。
4. 弱火で煮詰めていくうちに、混ぜるのに使っている泡立て器などから落ちるしずくに、だんだん、とろみがついてきます。そのしずくが、長めに糸を引いて落ちるようになるまで煮詰めます。
5. そうなったら火を止めます。念のため、もう一度よく混ぜます。20×25cmとかの、少し大きめのプラスチック容器を用意し、軽く水で濡らします。また、小鉢などの小さい容器に、使いたい色の食紅を、ティースプーン1杯くらいのほんの少量の水で溶かしたものを用意しておきます。例として2色のグラデーションにするので、「色1」と、「色2」の2色分、用意しておきます。
6. 用意したプラスチック容器に、「鍋の半分の量」の寒天液を注ぎます。この、プラ容器に注いだ寒天液に、「色1」をお好みの量入れて、よーく!混ぜます。ここで注意。「色が全てに行き渡った」くらいで混ぜるのをやめず、念には念を入れて、そこからさらによ〜く混ぜてください。それが成功のポイントです。
7. こんどは、まだ鍋に残っている半分のほうの寒天液に、「お鍋に直接」「色2」を入れます。そして、こちらも、よ〜くよ〜く混ぜてください。色が行き渡ったくらいで混ぜるのをやめずに、おまじないだと思って念入りに混ぜてください。それが、成功のポイントです。
8. そしたら、この「色2」の鍋の寒天液も、「色1」が入っているプラスチック容器に注ぎこみます。このあとは、よく混ぜなくても、できあがりに影響しません。混ぜないなら混ぜないでもいいし、お好みのマーブル具合にするためにスプーンなどでギザギザ、ぐるっとしたりしても良いです。できたら、冷蔵庫で冷やします。
9. 寒天を乾かす時に並べる紙を用意します。うちの場合、オーブンペーパーを正方形に切ったものが3枚くらい必要でした。寒天がベタベタしているので、成型作業に入ってしまうと、手がベタベタになって紙を用意するのが大変になるので、あらかじめ用意しておきます。
10. 冷蔵庫などで冷やして、完全に固まったら、容器から取り出し型抜きなり、包丁で綺麗に切るなり、手で割ってかち割り風にしたり、好きな形にして、シリコンコーティングのしてある紙(オーブンペーパー)に並べて乾かします。私の経験だと、一口大になる位に適当にナイフで浅く切れ目を入れておいたのを手で割るというのが、1番、簡単に石っぽくできるように思います。糖分が多いのでベタベタしていて扱いにくいですが、あまりいじっていては衛生的にも良くないので、手早く頑張ります。一切れの大きさは、甘いものなので、小さめの方がいいかなと、思います。
11. この作り方だと、成功していれば1時間もすれば部分的に軽く乾燥し始めると思います。そのまま数日間乾燥させて、完全に表面全てが固まったら出来上がりです。うちの場合、ホームセンターなどに売っている、3段の食品用の干し網に入れて室内に吊るし、なるべく扇風機の風を当てるという環境で、成功すれば、4日目くらいには取り込めるようになりました。
12. 手順の6,7で混ぜるのが甘いと、なかなか固まらずに、何日か経ってかろうじて固まり始めたような気がする…くらいに、固まるのが遅れたりします。もしそれでも、日を置けば、たぶん固まりますので諦めないで乾かし続けてみてください。
13. 出来たあとは密封しておけば常温でも長持ちします。どれくらいもつのかなどは、人それぞれなのでご自分の責任で判断していただき、おいしいうちに召し上がってください。

一夜干しネット 3段 50cmx50cmx55cm 魚干し網 大
食品を干す網は、こういうものです。干し網、一夜干しネットなどの名称で、ホームセンターなどにあります。梅干し作りとか、干し野菜、一夜干しなど、一度買っておくと、たまに、役だちます。